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株式会社長村建築事務所
nagamura.architects & associates office
〒920-0901 金沢市彦三町2丁目8番1号
TEL 076-236-2424 FAX076-236-2425

旧森紙店
昭和58(1983)年に市指定保存建造物第1号に指定された貴重な町家。

旧森紙店
江戸時代末期の建築と推定される町家は無言で経年の営みを語りかける。

旧森紙店
30分かけて後方に6m移動。建物が動く様子が目視で確認できた貴重な現場。
金沢市指定保存建造物 旧森紙店
所在地 金沢市野町1丁目2番34号
竣工年 江戸時代末期(推定)
旧森紙店は、復元されたものを除けば金沢で最後の一軒となった「板葺き石置き屋根」が残る江戸末期の町家です。
主屋は桁行4間、梁間7間半で、切妻造・平入、板葺き石置き屋根、1階庇は瓦葺きです。表構えはセガイ造で1階のガラス戸、2階窓の一部を除き旧態をとどめています。平面はトオリニワに面して表からミセ、チャノマ、ザシキを配する典型的な町家の構成をとっています。内部の仕上げは柱、梁、天井、建具など全て弁柄で塗られています。
携わったのは、国道157号線の拡幅に伴い、建物を解体せずに「曳き家」という手法を用いて6メートル後方に移動させるという計画です。油圧ジャッキで建物を浮かせ、基礎工事を施した後に再び地上に下ろします。
歴史都市金沢で、これからの活用策が期待される大切な町家なので、調査を進めながら慎重に作業を行いました。
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